カエルへのせつない気持ち
先日、久しぶりに天気も良く、気温も暖かかくなった朝の出来事。
毎日の通勤で通る坂道がある。
その坂は昔から通学路となっており、たくさんの子供たちが通り、坂道に面している家は、どれも大きめの、しっかりとした豪邸が多いのだが、それらの豪邸には、素敵な庭があり、きれいな桜や金木犀の木々、たくさんの草花が、とてもオシャレに植えてある。そのせいか、季節によっては、花々と葉がとてもいい匂いの坂道。
この近所で生まれ育った私の思い出の坂でもある。
野良ねこも多いが、ハクビシンが出たり、暖かくなって、雨が降ったりすれば時々、カエルが現れる。
今朝はその、カエルを発見した。
まだ小さくて、こどもの様だったけれど、水みずしく濡れていて、草木から飛び出してみたものの、どっちへ行けばいいのか迷っている様に、地面にへばりついて、じっとしていた。
そこへ、坂をひとりの女性がスマホをいじりながら下りてきた。
そのまま下れば、丁度カエルを踏んじゃう場所を歩いている。
お願い、踏まないで!
と心の中で叫んだ私は、その女性とすれ違ってすぐに後ろを振り返り、カエルが踏まれないか、立ち止まって見ていた。
。。。。。。
良かった。
カエルは無事だった。
踏まれずにいたので安心して、坂をのぼりきり、私は駅へと向かった。
夕方、帰宅するのにまたこの坂道を通る。
天気予報はハズれ、雨は結局降らなかったなぁ、と思いながら、坂にたどり着いて、今朝発見したカエルのことを思い出した。
あのカエル、どうしただろう?
まだいるかな?
と、豪邸のある場所を過ぎたところに、何かが見えた。
まさか、とは思ったが、
まさかであった。
今朝は水みずしくそこにいたカエルが、
ぺったんこになって、干からびていた。
。。。。。
かわいそうに。
なんて酷いことを。
今朝わたしに勇気があって、カエルをどうにか、草むらに移動させてやっていれば、救えたかもしれないのに。
後悔したが、わたしはカエルも小さな虫も怖くて触ることができない。
心が痛む。
かわいそうなカエル。
ぺったんこだったのは、多分、車が潰してしまったのだろう。
この坂道は、数年前までは車両進入禁止だった。
国道交通省の大臣も公明党だからか?
狭い道なので、一台しか通れないが、上りも下りも通行可能。
途中の小道から子供が出てくれば、とても危険な坂道となってしまった。
上りだけの一方通行にしようという意見もあり、町内会で話し合いも進んでいるが、新しい住民たちの中には、上りの一方通行にすることを反対しているひともいる。 車庫入れが面倒になるからだ。
警察は反対意見の理由など一切聞いてくれず、 一方通行にするのならば、下りの一方通行と決めているらしい。
下りは車の勢いもつくし、上りより危ないのに。
まぁ、そのうちに、こどもが1人でも跳ねられれば、変えようということにもなるのかもしれないけれど。
どうせ何かあるまでは、変わらないだろう。
話が脱線しちゃったけれど、
言いたかったのは、
この坂を、車が通れなかったら、あのカエルちゃんはもう少し生きていれたかもしれない。
カエルごときと言われるかもしれないが、
あの時、会社を遅刻してでも、木の枝でも見つけて、カエルを端に寄せてあげるべきだった。